研修で医療的ケア児の受け入れをサポート!台東区の保育園で勤務する看護師向けの実技研修を行いました

2024年03月01日

わたしたちフローレンスは、2014年の障害児保育園ヘレン開園から約10年、障害児・医療的ケア児やそのご家庭を支援し続けてきました。
また、障害児・医療的ケア児を取り巻く課題を仕組みや構造から解決するため、国や自治体へ関連団体とともに、政策提言も行ってきました。
実際に、2016年に改正児童福祉法に医療的ケア児の支援体制の整備が盛り込まれ、2021年6月に医療的ケア児支援を自治体の責務とする医療的ケア児支援法が成立しました。
こうした社会の変化もあり、保育園や公立小学校で医療的ケア児の受け入れが進んできています。

その一方で、医療的ケア児の初めての受け入れのために、保育園ではさまざまな準備や体制の整備が必要です。
医療的ケア児の受け入れに向けて準備をしている自治体や施設の皆さんに、わたしたちの経験や知見を活かし、研修や業務委託という形でサポートしています。

今回はそのうちの一つとして、1月下旬に実施した東京都台東区の区立保育園で勤務されている看護師の方々を対象にした実技研修の様子をご紹介します!

【概要】
・対象:台東区の区立保育園の看護師5名
・前提:2023年11月・12月に台東区の区立保育園の保育士・看護師に対し座学研修とヘレン東雲の見学を実施
・研修内容:全体を通し3時間弱
– 障害児保育園ヘレン東雲園長、障害児保育園ヘレン看護スーパーバイザーによる講義
– フローレンス作成の動画(経鼻栄養の注入、胃ろう注入、気管内吸引と口腔鼻腔吸引)で手技をレクチャー
– 人形を用いて手技を実施
– 質疑応答

今回の研修は「基本的な医療的ケアの手順と留意点が理解できる」をゴールに置き、講義と実技を交えながら行いました。

まずは保育園での日常的な健康チェックについてご説明しました。
お子さんそれぞれの疾患や園でお預かりする場合の留意点、また悪化した場合にはどんな変化が起こりえるかを理解しておくことが重要です。
毎日の健康チェックのポイントや、お子さんが「いつもと違うとき」看護師はどのように対応すればいいのか。ヘレンの対応例をもとにご説明しました。

動画説明と人形を用いて実技講習

また、保育園に通うこどもの医療的ケアについて、物品準備から後片付けまでの一連の流れや注意点をご説明し、フローレンスが作成した動画で具体的な医療的ケアの手技を講義しました。

今回の研修では、医療的ケアの手技だけでなく、保育園での生活の一部として医療的ケアが展開されていることをイメージしていただきたいと考えました。
そのため、看護師の皆さんに「保育園で過ごす医療的ケア児」のイメージをもってもらえるように、園児に協力してもらってヘレンで動画撮影を行いました。

言葉で説明するだけではなく動画で実際の手技を見ていただくことができ、「動画での説明がわかりやすかった」とのお声もいただきました。

経管栄養と喀痰吸引は、人形を用いて実際に手技を実践していただきました。
講師のお手本を見ていただいた上で実践していただき、講師からも手技のアドバイスをさせていただきました。
実際にこどもに使用するチューブを目にしていただくと、その細さに驚かれる方も多く、皆さん真剣に手技を実践されていました。

実践のための研修に

今回の研修では、実践の場をリアルに想像して実際のケアに活かしていただけるよう、さまざまな工夫をしました。
「こんなときどうする?」「よくあるヒヤリハット」というコーナーを作り、ヘレンの保育やケアの経験に基づき、実際に起こりやすいトラブルや対応策を多数紹介しました。

また、実技以外のパートでも、なるべく実際の雰囲気をイメージできるように、ヘレンでの実際の写真や動画を多く盛り込み、経管栄養や吸引のチューブなど、実際に使用する物品を用意し触って実感してもらえるようにしました。

研修後のアンケートでは「大人の看護しか経験がなかったが、こどもならではのケアの工夫が勉強になった」「細かい注意点や具体的な事例などを教えていただき、特にヒヤリハットの説明が参考になった」という感想を寄せていただきました。
今回は受講者が少人数の研修だったので、随時質問や感想を出してもらいながら、対話の中で学びを深めていただけたと思います。
参加者の皆さんは終始真剣に研修を受講され、時折メモを取りながらこどもたちのために学ばれていました。
疑問点や質問もたくさん声を上げていただき、とても実りある研修になりました。

フローレンスの研修事業

フローレンスでは、医療的ケアのあるお子さんを地域の保育園で受け入れるために必要なサポートを実施しています。
受講される方の状況やニーズを事前にヒアリングし、座学研修、実技研修、園見学と合わせての研修等をご提案しています。
また、保育園に訪問して医療的ケアの指導や助言をしたり、業務委託などの形で現地でお手伝いをすることも可能です。

「医療的ケアのあるお子さんも受け入れたいけれど、どうすればいいか分からず困っている」皆さんのお力になりたいと思っています。
医療的ケア児の居場所を増やすために、お困りの皆さんを研修や業務委託等でサポートさせてください。
まずは「こんなことに困っている」というご相談からで構いません。
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