障害児保育問題

  • 預かる施設が十分にない

    預かる施設が十分にない

    障害児保育園ヘレンでは、重症心身障害児(重度の肢体不自由と知的障害が重複した状態のお子さん)や医療的ケア児を中心にお子さんをお預かりしています。

    医療的ケア児とは、人工呼吸器やたんの吸引等の医療的ケアが日常的に必要なこどものことです。医療的ケア児は、全国に約2万人いると言われています。また、⼈⼯呼吸器が必要なこどもの数は、直近10年間で約2.3倍に増加しており、0〜4歳が最も多い現状です。

    保育園に通う医療的ケア児もここ数年で大幅に増加しているものの、まだ預かる施設数や受け入れ可能人数が充分とは言えません。

  • 母親は安定した就労が難しい

    母親は安定した就労が難しい

    医療的ケア児や重症心身障害児は、既存の保育園に入園することが難しく、保護者は就労を諦めざるを得ません。特に母親は家庭でのケアを担うことが多く、安定した就労の確保が難しい状況があります。医療的ケア児家庭の母親の常勤雇用率は約16%です。

  • 医療的ケア児を預かるための知識やノウハウが足りていない現状

    医療的ケア児を預かるための知識やノウハウが足りていない現状

    2021年の医療的ケア児支援法が施行されてから、どんどん医療的ケア児を預かる地域の保育園が増えてきているものの、新しい課題がでてきました。それは、医療的ケア児保育の知識やノウハウが不足しており、現場の保育士や看護師さんたちが不安を感じてしまう環境だということです。

解決策Our Approach

「医療的ケア児を預かる保育園をつくる」

解決策1

障害児保育園ヘレンが開園したきっかけは、「人工呼吸器をつけた我が子は入れる保育園がなく、働くことができない」というあるお母さんからのメッセージでした。医療的ケアがあることを理由に保育を受けられないなんてことがあってはいけない——そんな思いからヘレンは生まれました。

わたしたちはこれからも障害児保育園ヘレンの運営を通して、障害の有無にかかわらず、すべてのこどもが保育を受け、保護者が働くことを選択できる社会の実現を目指します。

「医療的ケア児保育のノウハウを全国に届ける」

解決策2

障害児保育園ヘレンでは10年間でこれまで100人以上の医療的ケア児・重症心身障害児に保育を提供してきました。医療的ケアを安全に実施することはもちろん、ケアをしながら集団で遊ぶための環境づくりや、災害時や緊急時の対応などさまざまな工夫をしながら日々の保育に取り組んでいます。これまで培ってきた知見を医療的ケア児に関わる自治体や支援者の皆さんにお伝えし、力になりたいと考えています。医療的ケア児家庭が安心して地域の保育園に通える環境づくりに一緒に取り組みませんか?