障害児保育園ヘレンでは、子どもたちの個性を大切にし、お友だちやスタッフと一緒に遊びながら社会性(人と関わり自分の思いを伝えてくれること)も育む保育を行っています。
基礎疾患があっても、医療的ケアがあっても、発達の遅れがあっても、その子らしさを大切にして、集団の保育活動に参加できるようなサポートをしています。
ヘレンで大切にしている”感覚の発達を促す遊び”について、「障害児保育園ヘレン荻窪」の勝木園長の言葉とともに、前後編にわたってご紹介する今回の企画。
前編では、体を大きく動かす遊び「粗大運動(そだいうんどう)」についてお話しました。後編では、感覚の発達を促すもう一つの遊びである、「感触遊び」を取り上げます。
おさらい:感覚の発達を促す遊びとは?
感触遊びについて取り上げる前に、もう一度「感覚の発達を促す遊び」についてご紹介します。
感覚の発達を促す遊びには大きく分けて、①体全体を大きく動かす「粗大運動」と②自分の体の内と外をつなぎ五感を刺激する「感触遊び」の2つがあります。
こうした遊びを行う際、子どもたちは、五感(触覚、視覚、聴覚、味覚、嗅覚)と体の動きを感じる感覚(前庭感覚)、筋肉や関節の動きを感じる感覚(固有感覚)を使っています。
粗大運動や感触遊びを繰り返し行うと、外界からの刺激をうまく受け止められるようになり、その場に応じた動きをしたり、だんだん自信をつけて意欲を持って遊んだり、周りの人に楽しさや要求をその子らしく伝えてくれるようになります。
感触遊びとは?なぜ感触遊びが大切なの?
手足を使って、小麦粉、片栗粉、絵の具、水、氷、お湯、野菜などに触れたり丸めたり、引っ張ったりちぎったりする感触遊びを通じて、子どもたちは自分の中と外のつながりや境目を感じ、自分だけの世界から自分と自分以外のもの、外界への意識が出てくるようになります。
ヘレン荻窪の感触遊び 冷たい!?ぷるぷる!気持ちい~い!
ヘレン荻窪には、重症心身障害児クラス「うみ組」と中等度の障害を持つお子さんのクラス「そら組」があります。
うみ組では毎月のように「絵の具」を使って感触遊びを兼ねて制作をしています。
手や足の感覚が過敏で初めは触れたくないよ~!と逃げるようにしているお子さんも、同じ遊びを何回も繰り返すうちに触れることができたり、自分から手を伸ばしたりするようになります。
足裏に絵の具を塗り画用紙にスタンプをする遊びも、筆で触られたり絵の具を塗ってもらったりして画用紙に足を置くと、押し付けるように足を動かします。
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一方、そら組さんの小麦粉を使った感触あそびでは、小麦粉の形態を変化させて繰り返し遊んでいます。
子どもたちは、粉のサラサラした感触、ベビーオイルを混ぜて固まったときの感触、水が混ざってネバネバになったときの感触を、手指で感じたり確かめたりしながら、自由な発想で遊んでいます。
はじめのうちは触るのは嫌だなぁ…と思っていたお子さんも指でつんつんするうちに慣れて、自分からこねたり握ったりしています。
その子の得意な感覚から始めて、例えば歌いながらなど楽しい雰囲気を出していくと、いつの間にか苦手だった感触にも自然とお子さんが手を伸ばして笑顔になっていることもあります。
言葉では意思をうまく伝えられないお子さんもいますが、スタッフが一人ひとりの表情を丁寧に読み取り、体のちょっとした緊張具合をじっくり観察して、楽しく感じる方法でその子に合わせたコミュニケーションをしながら一緒に遊びます。
ヘレンでは「遊び」の中で思いを伝える社会性も育んでいます。
ヘレンではこれからもお子さんに寄り添い、遊びを通じて社会性を育むわきあいあいとした保育を行っていきます。
ヘレン荻窪ではそら組・うみ組ともに2022年度入園の園児を募集しています
ヘレンで取り組んでいる、遊びを通じた意欲を楽しく引き出す保育はいかがでしたでしょうか?
お子さんは本当は伝えたいことがあり、こんな遊びをしたい、こんな動きだったら好きだなという思いがあるかもしれません。
また、保護者の皆さんも、反応が分かりにくくどうやって遊んで良いか分からない、子どもの意欲をどうやって引き出したら良いか分からないとお悩みかもしれません。
ヘレンでは、保護者の思いに寄り添い、お子さんの成長を育んでいくお手伝いをできたらと思っています。
ヘレン荻窪では、重症心身障害児クラス「うみ組」と中等度の障害を持つお子さんのクラス「そら組」ともに、2022年度入園を希望される園児の方を募集しています。
ヘレンへのご入園をご希望される方には、まずは利用案内の説明動画視聴をお願いしております。少しでもご興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にお申し込みください。お待ちしています!